石田博英 |
当協会の会長として19年もの長きにわたり、日本の園芸文化の発展と振興に尽力された。在任中には「花の文化展」の復活と規模拡大を主導され、昭和58年には新宿御苑での「園芸文化展」を創設。国内外からの参加を促進し、園芸界の国際的な交流と発展に多大な貢献をされた。また、フロリアードやタイ国建国200年祭記念フラワーショーなど、海外イベントへの出展においても外務省との連携を図り、日本園芸文化の国際的な評価向上に努められた。バラの普及活動や個人の庭園公開を通じて、地域社会への園芸知識の普及にも寄与されるなど、多岐にわたる功績を残した。 |
田中作造 |
観賞菊の栽培技術と品種改良において卓越した業績を残し、日本国内のみならず国際的にもその普及に尽力された。大ギクの巨大輪化の研究をはじめ、「越路の錦」「越路の紫雲」などの優れた品種を開発し、全国的な普及に貢献。また、全日本菊花連盟の副会長として長年にわたり指導的役割を担い、国内外の愛好者との交流を深め、菊栽培文化の向上に尽力された。さらに、国際菊花協会への加盟や国際菊花会議の日本開催を実現するなど、観賞菊を通じた国際交流を推進。園芸全般においても幅広い造詣を有し、家庭園芸の指導を通じて地域社会の園芸文化の発展にも寄与された。 |
藤島昇吉 |
独自の育種技術と情熱によりスカシユリを中心とした花百合の品種改良において輝かしい業績を残された。昭和29年に育種を開始し、「夕月」や「金扇」をはじめとする約100品種を作出。その中でも16品種が種苗登録され、北海道産花百合の多くが藤島氏の品種で占められるなど、日本の花き産業に大きな貢献を果たした。氏の研究は遺伝の法則を応用し、花の美しさと耐病性を兼ね備えた商品価値の高い品種を生み出し、全国的に高く評価されている。また、独学で積み重ねた知識と技術により、国内外からの訪問者に惜しみなく情報を提供し、花き文化の発展と交流に寄与した。 |
渡辺正好 |
練馬大根「早太り練馬」の育成により蔬菜園芸の発展に寄与した後、昭和35年頃から洋蘭栽培に注力された。特に、カトレヤやファレノプシスなどの新品種を育成し、洋蘭の普及と産業化に大きく貢献された。また、昭和48年から14年間にわたり日本洋蘭農業協同組合の組合長を務め、組合の発展と後継者の育成に尽力された。洋蘭の審査機構の確立や世界蘭大会の誘致・開催などを通じて、国内外での洋蘭の地位向上に寄与。さらに、農水省委託事業への貢献など、業界全体の発展に多大な功績を残した。渡辺氏の長年の努力と先見性は、今日の洋蘭業界の礎となっている。 |