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園芸文化賞Award

1988(昭和63)年度 園芸文化賞

浅山英一  放送や出版物を通じて、趣味園芸の普及と発展に多大な貢献をされた。ラジオやテレビでの園芸番組をはじめ、新聞、雑誌への寄稿、そして50冊におよぶ著作により、園芸を一般の人々にとって身近で親しみやすいものとする道筋を切り拓かれた。千葉大学園芸学部助教授として後進の指導にも尽力され、育種家としてもストックの新品種を開発するなど、その業績は学術的にも高く評価されている。また、講演活動を通じて全国各地で園芸文化の普及に寄与された。趣味園芸が今日のように広く普及する背景には、浅山氏の幅広い活動と才能が大きく寄与した。
鈴木章  パンジーの品種収集とその改良および保存に努められ、国産改良種の発展に大きく寄与された。世界各国から集められた300種以上の品種を維持管理しつつ、実生を繰り返し、新たな花の育成を続けるその情熱と努力は並々ならぬものがある。日本農業研究所植物研究室の主任研究員として、30年以上にわたり作物の栽培や育種の研究に従事された鈴木氏は、基礎的な知識と豊富な経験をもとに、パンジー育種の分野で数多くの成果を挙げられた。また、「プリンセス・ミチコ」と命名された育成品種は、美智子妃殿下のお目にとまり、皇太子殿下と妃殿下が鈴木氏の自宅を訪問されるという栄誉にも輝いている。鈴木氏の活動は、パンジーの魅力を広く伝え、園芸文化の向上に大きく貢献した。
鈴木春吉  花きの育種に努め、小菊、ナデシコ、ダリヤなど数多くの新品種を作出し、その普及を図られました。また、花木、特にサツキの品種改良と普及に尽力され、「皐月大観」というサツキのバイブルとも称される著書を通じてその魅力を広められました。戦後のサツキブームにおいて、鈴木氏は改良園を中心に新品種を次々と発表され、その功績は多くの園芸愛好家や業界関係者から高く評価されています。さらに、コデマリやボケ、ザクロなどの新花も作出され、幅広い育種活動に取り組まれています。
中山林之助  ラン科植物、特にカトレアの交配育種を長年にわたり続け、約250品種の新品種を育成されるとともに、実用性に優れた代表品種「R・ナカヤマ」で農林大臣賞を受賞されるなど、洋蘭界の発展に多大な貢献をされた。また、日本蘭協会の創立に尽力され、業界の指導者として洋蘭の普及と振興に尽くされた。中山氏の育種は、丈夫で美しく、実用性を兼ね備えた営利品種の開発に焦点を当て、戦中戦後を通じて洋蘭栽培の基盤を築かれた。さらに、蘭の普及活動や指導的役割を果たし、日本の洋蘭界における実物教育の礎を築いた功績は、国内外で高く評価されている。
増田友三  戦後いち早く観葉植物の可能性に着目し、八丈島や硫黄島などでの栽培を通じて新たな園芸市場を開拓された。また、諸外国から園芸植物を導入するとともに、国内では野生植物の採集や試作・繁殖を行い、その魅力を広く紹介されるなど、花卉園芸界の発展に大きく寄与された。さらに、後進の指導と産地の育成に尽力され、日本各地で優れた人材を輩出する一方、フロリアードや全国都市緑化フェアへの出展などを通じて、園芸植物の普及促進にも尽力。日本花卉株式会社の代表取締役として、業界の発展を支えるリーダーシップを発揮された。
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