加藤要 |
戦後一貫して家庭園芸の研究と執筆、普及発展、そして指導に尽力され、その功績は日本の家庭園芸の基盤を築く上で欠かせないものとなった。北海道庁や農林省での勤務を通じて、戦中戦後の食糧不足の中、野菜増産や園芸指導に尽力。特に家庭園芸においては、その指導や研究が評価され、農林省では実質的な花き園芸のチーフリーダーとして業界を牽引した。また、辞任後も青果物生産安定資金協会や施設園芸協会で要職を歴任し、業界発展に寄与された。さらに、新聞への執筆活動を通じて園芸知識を広め、読者からの信頼を得た。その博識と信念、そして真摯な姿勢は、家庭園芸を愛する多くの人々に大きな影響を与えている。
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五島八左衛門 |
戦後の園芸界において卓越した業績を残した。特に、マスクメロン栽培の導入普及に尽力され、日本におけるマスクメロン生産の礎を築いた。英国留学で習得した栽培技術を活かし、新宿御苑や静岡県での温泉熱利用による温室栽培を成功させ、国内生産の基盤を確立した。また、著書や論文、マスクメロン協会での活動を通じて、普及にも大きく貢献した。さらに、日本園芸株式会社での洋ラン育種では、千種以上の品種を育成し、国内外で高く評価される成果を挙げた。指導者としても多くの後進を育成し、全国各地で温室園芸の発展を支えた。その功績は、日本の園芸界における重要な遺産として今日に伝わる。
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佐野藤左衛門 |
サクラの品種収集、調査保存、育種、並びに桜樹の植栽普及において多大な功績を残した。明治期より国内外を巡り、多くのサクラ品種を収集し、その貴重な品種を保存するとともに、新たな品種を育成した。また、自身で収集されたサクラを京都大学などに寄贈し、後進の研究基盤を整えられるなど、サクラの調査研究の発展に寄与した。さらに、円山公園の枝垂れ桜や海外への桜樹植栽を通じて、桜の美しさを広く国内外に伝え、日本文化の象徴としての桜の地位を高めた。多くの著名な品種の育成と、普及活動に対する長年の献身的な努力は、我が国の桜文化の発展に大きく貢献した。
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