鈴木吉五郎 |
山野草の園芸化、野生ランの保存および栽培法の開発に尽力し、日本の園芸文化に多大な貢献をした。大正時代から山野草の栽培・改良に取り組み、自然生態の観察を基に栽培しやすい品種の育成に成功した。特にヒメシャクナゲやホトトギスなど、多くの名品を生み出し、山野草栽培の大衆化に寄与した。また、外国産の野生種も積極的に導入し、品種改良に取り組むなど、園芸の技術革新を推進した。ラン類においては、古典園芸植物や野生ランを収集し、保存と品種改良を行い、その成果を広めたのである。著作活動にも力を注ぎ、特に『日本のラン』などの刊行において重要な役割を果たした。これらの業績は、現在の日本の山野草・野生ラン栽培の礎となり、後世の園芸愛好家に多大な影響を与えている。
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玉利幸次郎 |
園芸作物の母種導入と品種改良において顕著な業績を残した。昭和12年より、イチゴやサトイモ、サツマイモなどの品種改良に取り組み、特に「幸王」イチゴをはじめ、優れた品種の育成に成功した。「幸王」は、食味が良く、栽培面積も広がり、現在の優良品種育成において基盤となっています。また、南九州で奨励品種となったサツマイモの「コガネセンガン」や「ミナミユタカ」など、数多くの品種がこれを母本として育成した。さらに、彼の開発した新技術は、多くの園芸分野で応用され、サボテンや観葉植物の栽培法、果樹や花木の接ぎ木技術など、園芸技術の発展に寄与した。玉利氏の業績は、園芸作物の品種改良や栽培技術における革新をもたらし、現在も多くの園芸家に影響を与え続けた。
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中村是好 |
豆盆栽の伝統技法を現代に伝えるため尽力し、その普及と宣伝に多大な貢献をした。少年時代から盆栽に親しみ、大正末期には小品盆栽に興味を持ち、戦後もその栽培を続ける中で、伝統技法を守りながら現代に適応させることに成功した。特に、小品盆栽の発展において重要な役割を果たし、その栽培方法や技術は多くの愛好者に受け継がれた。さらに、国内外での展示会出品や著作を通じて、盆栽の魅力を広く紹介し、小品盆栽の普及に貢献した。海外からの盆栽愛好者を迎え入れ、国際親善にも協力し、小品盆栽を世界中に広める一翼を担った。その功績は、盆栽界における大きな礎となり、高く評価される。
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