1993(平成5)年度 園芸文化賞
新谷慶馬 | 古典園芸植物の稀貴品種の収集と保存に尽力し、その伝統を維持し発展させた。少年期から伯父の指導を受け、古典園芸植物の栽培を始め、昭和30年頃から本格的にそのコレクションを増大させた。特に、キンシナンテン、チョウセイラン、マツバランなどを中心に栽培管理に取り組み、技術を習得し普及に努めた。また、日本鉢の収集にも力を入れ、古典園芸植物の増植と交換する形で貴重な銘品を集め、現在そのコレクションは京都の出版社に預託されている。さらに、多くの園芸団体で顧問や役職を務め、園芸文化の発展に貢献している。 |
山本二郎 | デンドロビウムの育種と組織培養を駆使し、大量生産方式の確立に全力を注いできた。昭和27年に山本デンドロビウム園を開園して以来、約2,700組の交配育種を手がけ、そのうち400品種以上を国際登録している。特に、昭和44年に英国王立園芸協会の品評会で初めて日本から入賞した「Angel Flower」と「Oborozuki Canary」は、育種家としての地位を確立する大きな功績となった。さらに、世界の主要な展示会での数々の受賞歴に加え、米国ハワイやタイに分園を設立し、国際的な活動も展開。現在(1993年当時)、欧米各国で栽培されるノビル系デンドロビウムの約80%が山本氏の作出品種であり、デンドロビウム育種の分野における多大な貢献をした。 |