| 尾崎哲之助 |
長年にわたる改良によって数多の名花を作出したが、杉並の朝顔園時代に初めて黄花アサガオの作出に成功し、引き続き東京朝顔において、黄花朝顔の大輪化、吹き掛け種の作出に全力を注いだ。また、昭和39年に黒花というに足る新花を発見し、さらに改良を進め、いっそう強い個体を得、「黒潮」「大黒天」などを発表している。栽培面においても、今日鉢作りの主流となっている行灯作りを広め、ラセン作りを考案するなど、約60年間にわたる大輪アサガオの合理的栽培の創出と科学的な品種改良の研究は、大輪アサガオの普及に大きな功績を残した。 |
| 加藤光治 |
大正10年三越入社と同じころ、帝国愛蘭会の書記となり、会報の編集、月2回の月例会などを行ううち、ランだけにあきたらず、花卉同好会を結成し展示会を開催するなど、一般の園芸趣味の普及に尽力し続けた。また、太平洋戦争のし烈によって危なくなったわが国の園芸を守るために、RHSの組織にならって（社）園芸文化協会の設立をはかり、今日の協会の基礎づくりに貢献した。
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| 後藤兼吉 |
わが国における洋ランの揺籃期にあって栽培を手がけ、国外に植物を探索し、日本の洋ラン界の草分けとして、終始一貫、その栽培と品種改良にたずさわった。今日までに約350の新品種を作出、わが国の洋ランの水準を高めるとともに、今日の洋ラン隆盛の基本となった品種を生み出した。その主なものとしては、カトレヤでは「紫式部」、「紫野」が、パフィオペディルムでは「鈴鹿」「石清水」「夢殿」「若草山」などがあり、デンドロビウムにおいては「鷺娘」「福羽」「桜狩り」「グレース」などがあり、いずれも一世を風びした品種で、現在でも趣味や営利栽培されているものが多い。日本蘭協会顧問、全日本蘭協会々長、蘭友会顧問などもつとめた。 |
| 清水基夫 |
日本に自生のユリの野生種36種と園芸品種61品種を集め、これらの交配組み合わせを1000以上試み、系統的にユリの交配親性を探究し、わが国のユリの改良の基礎を築いたほか、多くの文献や資料を収集保存して、後進に開放し、全国のユリ育種家の育成に尽力。また、愛知県で昭和27年に発足した日本暖地花卉園芸協会は、昭和32年に日本花卉園芸組合連合会に改組、昭和37年には、（社）日本花卉生産協会へと発展したが、氏は終始一貫、これら花卉生産者の団体育成に、献身的な努力と協力をおしまなかった。また、日本バラ切花協会の育成にも尽力した。著書「日本のユリ」は名著として知られている。また「キタダケソウ」を北岳で発見した。
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| 高橋賛平 |
昭和16年に作出した「紫錦襴」は赤色の代表として高く評価されている。戦後の作出品種は数千に及ぶが、現在愛好家の間に栽培されているものには、太管の「高音の姿」（桜）「高音の響」(赤)、厚走りの「高峰の秋」「楽寿の誉」(両種共黄)、懸崖菊用小菊の「郷」(黄)は全国の愛好家の絶賛をあび、各地の菊花展で常時入賞の品種として評価されている。また每年一回、全国大会を開催し、常にその活動の中心となるなど、幅広い活躍を続け、菊花愛好家の全国的組織の育成に献身的努力、園芸文化向上に貢献した。 |
