「~園芸文化を育んだ花~ 『新宿御苑 菊花壇展』観菊会 2025」を開催しました。
2025年11月15日(土)、新宿御苑菊花壇・同苑インフォメーションセンターにて、菊花壇展の観賞会と「“芸”をする菊」の講演を開催しました。
当日はまさに「菊日和」。温かく澄み渡る快晴の空の下、菊の花を楽しむのにふさわしい一日となりました。今回の講演会は園芸文化協会が始めてから19回目を迎え、募集定員40名のところ、70名もの方にご参加いただき、大盛況となりました。最終日の開催にふさわしく、どの花も満開に咲き誇り、日本の秋を存分に感じられる一日となりました。
講演の様子
小笠原誓常務理事による「“芸”をする菊」の講演が行われました。「菊」の漢字の由来から始まり、平安時代の菊合せから読み取る菊の実生栽培、室町時代の日記に見る代々の足利将軍が菊を楽しんだ様子、江戸時代に大流行した菊栽培の様子など、豊富な資料を交えながら日本の菊文化の歴史をわかりやすく解説いたしました。忠臣蔵四十七士の武林唯七が菊栽培に熱中していた話や、浮世絵師による菊栽培マニュアルなど、江戸時代の京都の公家の別荘での菊花壇など江戸時代を中心として日本の菊文化について語りました。興味深いエピソードに参加者の皆さんも熱心に耳を傾けていました。
菊花壇展観賞
講演後は、丸山秀諭氏(一般社団法人国民公園協会 新宿御苑 菊班)の案内で「新宿御苑菊花壇展」を観賞しました。日本庭園には上家(うわや)と露地花壇が設けられ、趣向を凝らした菊の花々が庭園の景観と見事に調和していました。7つの上家花壇と2つの露地花壇が順路に沿って配置されており、回遊しながらそれぞれの特色を楽しみました。
観賞の際には、菊花壇の特徴や品種の特性、花壇の作り方、上家の造作、さらには栽培におけるご苦労などについて詳しい解説がありました。園芸愛好家はもちろん、歴史や文化に関心のある方々にも大変ご満足いただけたことと思います。
ひと株から数百輪以上を咲かせ半円形に仕立てられる「大作り菊」や、品種ごとに工夫を凝らした花壇など、伝統の技が息づく展示は圧巻で、参加者の皆さんも大いに魅了されていました。
「新宿御苑菊花壇展」は、明治11年(1878)の「菊花拝観」をルーツとし、皇室ゆかりの伝統を受け継ぐ日本が誇る園芸文化です。歴史と技の競演を楽しもうと、毎年国内外から多くの来園者が訪れています。今回の講演と観賞会も、菊の魅力を存分に味わえるひとときとなりました。
(丹羽理恵)

菊花壇『大作り』
菊花壇『一文字・管物』
講演『きくの百花画』
