新宿御苑 菊花壇展 観菊会2024

今年の観菊会は、爽やかな秋空のもと、40 名以上の方が参加し、大盛況でした。
前半は菊にまつわる文化や歴史について、小笠原誓常務理事に解説していただきました。中国から伝わった菊文化。「菊」の文字の起源の話から始まり、不老長寿の薬として珍重されたことなどの中国での菊文化を紹介していただきました。続いて日本に伝わってからの菊の変遷や、どのように菊を楽しみ愛でてきたか、道具や飾り方など、錦絵や文献、写真で紹介しながらお話しくださいました。
後半は日本庭園に移動して、菊花壇展を、新宿御苑で菊作りに従事されている丸山秀諭さんに案内していただきました。今年は夏が長かったため、菊の開花も1週間ほど遅れているとのこと。それでも7~8 割は開花し、十分観賞することができました。参加者の皆さんは質問したり、興味深そうに株元を覗き込んだりと、熱心にお話を聞いていました。
その後、非公開の菊栽培場にも案内していただき、菊花壇展に向けての栽培について、実演や苦労話を交え、紹介してくださいました。
今年も内容が盛り沢山の充実した観菊会となりました。ご協力くださいました新宿御苑の関係者の皆さまには心より感謝申し上げます。
(清野)

『百種接分菊』
一勇斎国芳 天保頃
江戸秋の風物詩のひとつに菊見があった。接ぎ分け菊見物 駒込伝中 植木屋今右衛門庭中で1本の台木菊に百種の菊品種を接ぎ分けて見事開花させた図。

1本の菊から500輪前後花をつける「大作り」です。分枝の技術もさることながら整然とした樹形にする結立ての技術も秀逸です。

懸崖菊の菊花壇です。自然の渓谷に水が流れているようです。